紙のように曲げられる太陽電池を中国が開発

2023年05月26日

　超薄型で曲げることができる太陽電池が、このほど完成した。中国の科学研究者が開発したエッジスムージング処理技術をベースにしたフレキシブル単結晶シリコン太陽電池は紙のように薄く、厚さは60マイクロメートルとなっている。しかも、紙のように曲げたり、折りたたんだりすることができる。研究成果は24日に「ネイチャー」オンライン版に掲載され、巻頭記事を飾った。科技日報が伝えた。

　単結晶シリコン太陽電池は現在、主に分散型太陽光発電所と地上太陽光発電所に用いられている。これを曲げることができるフレキシブル太陽電池にすれば、建築物やテント、自動車、帆船、航空機などに幅広く応用できるようになり、家屋や各種携帯型電子製品、通信設備、交通機関などに対し、軽くて便利なクリーンエネルギーを提供できるようになる。

　論文著者で、中国科学院ミクロシステム・情報技術研究所の劉正新研究員は、「今回の研究はシンプルな製法処理によりフレキシブル単結晶シリコン太陽電池の製造を実現するとともに、量産化の実現性を検証し、技術的に実行可能な道筋を示した。また、研究チームが開発した大面積フレキシブル太陽電池モジュールはすでに近宇宙飛行機、建築物・太陽光発電一体化、車載太陽光発電などの分野で導入されている」と述べた。