2023年06月05日-06月09日
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「スマート小麦栽培」で農地管理が円滑化

2023年06月07日

 中国江蘇省徐州市銅山区単集鎮で5日、スマート生産量測定収穫機が小麦畑の収穫作業と生産量測定を行った。設置された大型ディスプレイには、畑の小麦生産量の空間分布図がリアルタイムで表示され、来季の栽培に向けた「デジタルマップ」を提供した。科技日報が伝えた。

 収穫機のそばでは「小麦状況巡回点検ロボット」がマルチスペクトル、3Dカメラ、レーザーレーダー、可視光など複数のセンサーを搭載しながら移動しており、24時間のスマート点検のほか、畑の環境や作物の生育状況を正確に感知できる。これらは南京農業大学スマート農業研究院の曹衛星教授のチームが開発したスマート小麦栽培技術を応用したものとなる。

 小麦生産量を把握する空間分布図の利用について、同大学スマート農業イノベーションチームの曹強副教授は「畑の生産量を正確に把握し、差が生じた原因の分析と農業技術管理プランの作成に役立ち、小麦畑の正確な管理ができる」と説明した。

 曹強氏はさらに「スマート生産量測定収穫機は長期間にわたる作物生育データを蓄積し、気候条件や環境、位置が異なった畑の生産量を予測し、今後の栽培管理プランに根拠を提供する」と述べた。

 正確な管理の根拠となるデータはどこから得るのだろうか。同チームの田永超教授は「スマート小麦栽培技術における2つのコア技術、つまり、デジタル小麦畑技術と小麦状況リモートセンシングモニタリング技術から入手する」と説明した。

 「デジタル小麦畑」の目標は、コードをスキャンするだけで畑の管理者や面積、栽培品種、成長状況、過去の生産量、畑の土壌や気候などの環境情報を把握できるようになることだ。同チームは江蘇省の現代農業(稲・小麦)産業技術体制モデル拠点25カ所で、畑の「デジタルファイル」を構築している。

 田氏は「小麦状況リモートセンシングモニタリング技術は、上空・宇宙・地上の立体化したモニタリングプラットフォームを利用し、畑やパーク、地域などのマルチスケールで、モニター、モノのインターネット、ドローン、衛星リモートセンシング、応用システムなどによって、小麦の生育状況と生産力の正確な予測・評価を行う」と説明した。

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