2023年06月12日-06月16日
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第1回上海国際カーボンニュートラル博覧会が開催

2023年06月13日

 中国上海市の国家会展センターで11日、第1回上海国際カーボンニュートラル博覧会が開幕した。14日までの期間中、「カーボンニュートラルへの道」をテーマに、省エネ・低炭素技術や製品・成果の展示などを行うとともに、全産業チェーンの企業に対し、マッチング、協力、交流の場を提供する。展示規模は10万平方メートルで、中国内外の著名企業約600社が出展する。解放日報が伝えた。

 上海電気の展示ブースでは、同社のドバイ950メガワット(MW)太陽熱・太陽光複合発電プロジェクトの模型が来場者の注目を集めていた。この発電所では、日中に太陽エネルギーを利用して溶融塩を最高595度の高温まで加熱し、夜間に溶融塩に残った熱エネルギーを利用して水蒸気発電を行うことで「24時間太陽光発電」を実現した。

 同プロジェクトの太陽熱部分は計700MWで、100MWのタワー型1基と200MWのトラフ型太陽熱発電機3基で構成される。総敷地面積は44平方キロで、サッカーコート6162面分に相当する。トラフ型発電機は夜間または悪天候の際に、貯めていたエネルギーにより最大13.5時間連続で発電ができる。また、タワー型発電機は夜間または悪天候の際に、貯めていたエネルギーにより最大15時間連続で発電できるようになっている。これらの発電で、二酸化炭素(CO2)排出量を年間160万トン削減できる。

 5月末現在、上海市の新エネ車普及台数は累計112万8200台に達した。その背景には、充電ネットワークインフラの整備によるサポートが存在する。国網上海電力によると、今年に入り、上海市全体の新エネ車充電・バッテリー交換電気メーター測定量が単月の記録を2回更新した。

 今後高まる新エネ車の充電ニーズをどうやって満たすのか。国家電網は未来の「太陽光発電スマートロード」を展示した。都市の道路そのものを太陽光発電所とし、新エネ車が走行中にワイヤレス充電できるもので、この取り組みにより、新エネルギーが都市インフラの重要な一部になる。

 仏電機大手シュナイダーエレクトリックは最新の報告書で、中国企業の炭素削減には、全体的に次の3つの傾向がみられるとしている。①企業の炭素削減意識が大幅に高まり、2022年にカーボンニュートラルの目標を立てた調査対象企業が前年比15%増加した。②企業の炭素削減の原動力が外部の圧力から内部へと変化している。21年は炭素削減について「政策や監督管理の外部からの圧力によるもの」が90%に達したが、22年には「内部の原動力」が66%になった。③持続可能性は単なるコストではなく投資対象との認識があり、企業の66%が炭素削減により製品の付加価値を高められるとの認識を示している。これらの点から、カーボンニュートラルが環境保護意識の高まりをもたらしただけでなく、実際的な利益ももたらしたことが明らかになった。

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