中国科学院国家空間科学センターは14日、宇宙ステーションの実験モジュール「夢天」の宇宙放射線生物学暴露実験装置が船外移動に成功し、実験を行ったと明らかにした。この実験を中国が実施するのは初めてで、放射線生物学や宇宙科学の研究に対して節目としての意義を持つ。科技日報が伝えた。
装置は同センターと大連海事大学が共同開発したもので、主に宇宙放射線や微小重力などのストレス環境がモデル生物に与える影響、宇宙放射線の損傷と防護、生命の起源と進化、宇宙放射線突然変異誘発資源の開発などの研究に使われる。また、動植物、微生物、小型モデル動物の軌道上での成長・発育や組織・器官の損傷変化のモニタリングなどの研究ニーズを満たす。
装置には生物材料を搭載する13のサンプルケースユニットがあり、植物の種、微生物、小型動物などの生物サンプルの軌道上での実験に使われる。装置内の放射線量子測定システムには、能動型測量と無電源受動型測量がある。各サンプルケースユニットは個別の温度調節が可能で、異なるモデル生物の生存需要を満たすことができる。宇宙放射線測量にはマクロな放射線量測定とサンプルに限定されたミクロ測量がある。
同装置を利用した医学的課題の研究は、中国の宇宙飛行士の軌道上における長期滞在や、有人月面着陸などにとって非常に重要な意義がある。
装置は打ち上げ後の各工学的パラメータが正常で、温度などの条件も科学的要求を満たしている。5年間の実験活動を行い、複数の科学実験プロジェクトにサービスを提供する。