中国の超深水大型ガス田「深海1号」の2期工事でこのほど、20インチ海底長距離輸送パイプラインの敷設工事が完了した。9425本の鋼管を連結した全長115.5キロに及ぶ深水石油・天然ガスパイプラインの敷設により、「深海1号」2期工事の石油・天然ガス輸送の大動脈が構築された。人民日報が伝えた。
「深海1号」2期工事は海南省三亜市から約130キロの地点で行われた。エリアの最大作業水深は約1000メートルで、地層から採掘された石油・天然ガスは成分が複雑で、温度が高く、圧力が大きく、通常の材質の海底パイプラインでは生産ニーズを満たすことができない。2期工事の侯静チーフエンジニアは「この海底パイプラインは『高温・高圧・高耐食性の石油・天然ガス混合流体の輸送』のために設計されたもので、設計圧力は38.8メガパスカル(MP)に達し、120度の高温の石油・天然ガス混合流体の輸送が可能となる。最大壁厚は38ミリに達し、中国の海底パイプラインの壁厚の記録を更新した」と説明した。
海底パイプライン工事は水深が深くなると、建設の難易度が指数関数的に高くなる。「深海1号」2期工事が行われた海域の地層環境は非常に複雑で、海底には傾斜のほか、広い面積にわたる坂状や尾根状の砂地など、複雑な地形が存在し、プロジェクトの設計、船舶装備の能力、海上での取付技術などの面で極めて大きな課題が存在していた。
プロジェクトチームは、工事技術の難題を解決するとともに、重要設備である作業船「海洋石油201」が対応できるよう改良を加え、大直径・大壁厚・全自動式溶接設備技術を独自開発し、10項目以上の技術的進展を得た。
中国が敷設した海洋石油・天然ガスパイプラインは全長9000キロを超える。これは上海からパリの航空路線に相当する長さだ。長年にわたる技術的難関攻略を経て、浅水エリアから深水エリア、さらには超深水エリアでの作業が可能となっている。
「深海1号」2期工事における天然ガスの確認可採埋蔵量は500億立方メートルで、生産が始まると「深海1号」のピーク生産量はこれまでの30億立方メートルから45億立方メートルに増加する。
