6月26日に開かれた「2023広州汽車科学技術デー(GAC TECH DAY 2023)」で、広州汽車集団の空飛ぶ自動車「GOVE」が初公開された。このほか、水素・電気ハイブリッドシステムを搭載した完成車や、乗用車用アンモニア燃料エンジン、N-in-1集積電気駆動システム、広州汽車マジックシーン共同創作プラットフォーム(ADiGO)など、複数の科学技術成果が披露された。中国新聞網が伝えた。
GOVEは分離式の機体構造を利用して、機体とシャシーを自由に分離・合体させることができ、動的一体化によって空中飛行と地上走行を実現し、飛行機、自動車としての利用が可能だ。
地上では、搭載された自動運転システム「ADiGO PILOT」がシャシーを全自動移動型離着陸ステーションに変身させ、機体の浮上と着地、全方向への移動を可能にしている。シェアリングという属性も備え、機体の自由な合体やエネルギー補給が可能だ。空中では、軽量化複合材料を採用し飛行コントロールシステムと多目的識別技術が搭載され、機体がより高く安全に飛行できるようになっている。空中から地上のシャシーへの合体では、航空宇宙クラスの高精度ドッキング技術が採用され、シャシーがあらかじめ機体の着地する位置を正確に予測し、ドッキングできるようになっている。
飛行の安全保障という点では、GOVEは航空宇宙分野のシステム工学理念を応用し、将来の大量生産の安全性と信頼性を保障する。二重バックアップを備えた回転翼システムの冗長性設計により、空中で機体のエンジンの1つに異常が生じても、バックアップシステムがカバーして予定の飛行を完了できる。
特筆すべきは、広州汽車集団が独自開発した乗用車用アンモニア燃料エンジンだ。液化アンモニアを燃料とし、燃料供給を精密に制御することで、エンジンのスムーズで安定した稼働を可能にした。超高性能点火技術を利用してシリンダー内のアンモニア燃料が確実に点火されるようになっており、効率は120キロワットに達し、二酸化炭素(CO2)排出量が90%削減される。