2023年07月03日-07月07日
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電力網のインフラ輸送に使われる高ペイロードドローン

2023年07月04日

 中国河北省豊寧満族自治県黄旗鎮で1日、ヘリコプター型無人ドローンが500キロボルト(kV)承徳北ステーション-阜康変換ステーション二重回路送電線プロジェクトの現場から離陸した。高ペイロードドローンが500kV超高圧送電網インフラの物資輸送に応用されたのは中国で初めて。ヘリは離陸から20分後、険しい山岳地帯に沿って上昇し、重さ208キロの建材を山頂の鉄塔の基礎の位置に吊り下ろし、荷吊り場に戻った。科技日報が伝えた。

 今回、特殊な作業環境が高ペイロード無人ドローンに活躍の舞台を提供した。同プロジェクトは山間部に位置し、地形が複雑で起伏が激しい。従来のケーブルや人、馬による輸送は安全リスクが高く、工期の順守を保証しにくい。国網空間技術公司空間技術センタードローン処の程海濤副処長は、「飛行プラットフォームは複雑な地形を直線的に横断し、物資を山頂の鉄塔の基礎の位置に運べる。安全で信頼性が高く機動性があり、地形の制約を受けないといった優位性がある。塔の建材や金具などの物資、工具・器具をロープで吊り下げて運ぶことができる」と述べた。

 今回作業を行ったのは中国が独自開発した電力網工事用SG-400型無人ドローンだ。翼幅が3.46メートル、機体の長さが2.55メートルで、独自開発した飛行制御システムとターボシャフトエンジンを採用し、縦列双回転翼設計により、双回転翼の逆回転により反トルクを打ち消し、テールローターを必要とせず、複雑な地形環境により適している。

 ドローンは独自設計した物資接地フックかけ・取り外し方式を持つ。輸送作業の際には、地上作業員が梱包し、地上に置いた電力物資をロープ末端のフックにかける。輸送先で正確投下装置を利用し、物資の接地後の応力変化に基づき自動でフックを解除する。航続時間内に輸送作業を続け、着陸後の設備の起動・停止時間を省くことができ、従来の吊り下げ輸送方式より効率を3倍以上高めている。

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中国科学技術ニュース 2023年07月

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