中国では現在、新世代情報技術の急速な発展につれ、車のスマート化水準が持続的に向上している。スマートコネクテッドカーやIoV(自動車のインターネット化)産業が急速な発展を遂げ、都市交通管理水準がさらに高まり、住民のモビリティ体験がより快適かつ便利になっている。
IoVは人と車を相互接続させる機能で、ワイヤレス通信技術により車載設備をインターネットに接続させ、インターネット情報プラットフォーム上のすべての車両の動的情報を有効活用することにより、走行中の車にサービスを提供する。主な応用シーンとして、運転支援、自動運転、スマート交通システムなどがある。
IoVはユーザーのモビリティ体験を効果的に改善できる。BYD(比亜迪)の関係者は「当社のスマートコネクテッドカー製品はオーナーの使用シーンをカバーしている。オーナーは乗車前に携帯アプリで車のロック解除、エアコンのオンオフ、高温消毒などを遠隔操作で行える上、車の状態もチェックできる。使用時には豊富なスマート運転支援機能が高速運転など複数の使用シーンでサポートを提供するとともに、複数の映像・音楽・娯楽サービスを提供する。オーナーは車を離れた後に携帯アプリで車の状態をチェックし、遠隔操作でロックをかけられる」と述べた。
無人宅配配送車や道路清掃ロボットから自動運転観光車まで、公園内の道路から都市の公道まで、自動運転の応用シーンが拡大し続けている。住民の日常生活を便利にするだけでなく、道路の走行効率も高めている。江蘇太倉港4期埠頭では、自動化されたガントリークレーンがコンテナを運ぶと、無人トラックがシステムで設定された走行ルートに従って進む。これはIoVの港におけるトラック自動運転の応用シーンだ。
工業・情報化部(省)のデータによると、中国における自動運転支援システムを搭載した新型スマートコネクテッドカーの販売台数は、2022年に前年比45.6%増の700万台となった。自動運転支援システムを搭載した新エネルギー車の割合は48%に達する。中国情報通信技術院が発表した「車のインターネット白書」によると、2025年までに中国のスマートカーの市場規模は1兆元(1元=約20円)近くに達すると推計されている。
同部は4月、湖北(襄陽)、浙江(徳清)、広西(柳州)に国家級IoV先導エリアの設立を支援するとした。すでに設立された江蘇(無錫)、天津(西青区)、湖南(長沙)、重慶(両江新区)を加え、中国の国家級IoV先導エリアは7カ所になった。
無錫IoV先導エリアでは、IoVシステムはロードサイドスマートシステムの状態感知技術を通じ、車に搭載されたセンサーと連携することで、路上の水たまりや結氷などの早期警報を出し、交通システム全体の運営安全性を高めている。無錫ハイテク区総合保税区では、2本の自動運転物流ルートが重点企業周辺の自動運転物流輸送を実現し、無人工場と全面的に連結している。天津(西青)国家級先導エリアは、天津市の豊富な自動車川上・川下産業チェーンの優位性を十分発揮し、IoV産業発展サービスシステムとIoVビジネス応用モデルを率先して模索している。
同部の辛国斌副部長は、「中国で開放されたスマートコネクテッドカーテスト道路の距離は1万5000キロを超えた。自動運転タクシー、無人バス、自動駐車代行、幹線物流、無人配送など複数のシーンにおけるモデル応用が秩序正しく展開されている。インターネット発展では、全国17カ所のテストモデルエリア、16の『ダブルスマート』(スマートシティインフラ・スマートコネクテッドカー協同発展)試行都市、7カ所の国家IoVモデルエリアが7000キロ以上の道路でスマート化改造を行い、ロードサイドインターネット設備を7000台(セット)余り設置した」と説明した。