中国の中車株洲電力機車研究所は15日、同社が独自開発した水素エネルギースマートトラムが数日後に上海港からマレーシアに輸送されると明らかにした。中国が初めて東南アジアに引き渡すスマートトラムとなる。科技日報が伝えた。
スマートトラムはマレーシア・サラワク州クチン市の都市交通輸送サービスで使われる。水素エネルギー動力システムを採用した同車両は、航続距離がより長く、水素充填時間がより短くなっただけでなく、低炭素・省エネ・環境配慮という優位性がある。デザインのスマート化・高度化によって、よりスマートになり、ゼロエミッションとスマート化公共交通システムの実現を目指すマレーシアのニーズに合致したものとなった。また、70メガパスカル(MPa)水素貯蔵システムと大出力燃料電池システムを採用しており、航続距離は245キロに達する。
マレーシアは熱帯雨林気候で、年間を通じて高温で雨が多い。研究開発チームはこの点を踏まえ、車両構造の設計や材料工法などの最適化を行い、車両の性能を現地の気候環境により適応させるようにした。
同社傘下の中車智行は2022年7月、マレーシア・クチンスマートトラムプロジェクトを落札した。総延長69.9キロの3路線で、スマートトラム38編成を配置。今回が最初の引き渡しとなる。スマートトラムはマレーシア到着後、クチン市で3カ月にわたる試運転を行う。