中国科学院が22日に吉林省長春市で発表した「東北黒土保護・利用報告(2022)」によると、中国では黒土の保護・利用が進展し、顕著な成果が出ている。東北地域における黒土の保護的耕作面積は2020~22年の間に約306.7万ヘクタールから約553.3万ヘクタールに増加した。中国新聞網が伝えた。
中国科学院地理科学・資源研究所の廖暁勇研究員によると、中国の東北地域における黒土の保護的耕作は、点から面へと広がり、段階的に拡大し、保護的耕作がもたらす農業経済、生態総合効果が徐々に現れている。
報告は東北地域における保護的耕作、土壌肥沃化、土壌退化防止、グリーン・高効率栽培、先端技術の5分野17件に及ぶ黒土保護・利用に関する共通重要技術を選出した。これらの技術は東北地域の黒土保護や作物の高生産量・安定生産などで顕著な成果を上げている。
報告によると、東北地域における黒土の保護・利用技術モデルには主に、竜江モデル、梨樹モデル2.0、三江モデル、大安モデル、遼河モデル、遼北モデル、大河湾モデル、北大荒モデル、拜泉モデル、全域カスタマイズモデルがある。中国科学院は東北の黒土地帯にモデルエリア7カ所を設置し、関連技術の普及拡大を推進している。
また、世界120以上の国・地域で20世紀初頭から黒土理論に関する研究が行われている。これらの研究は現在、黒土の発生・変化、黒土の保護的耕作、黒土作物栽培、黒土炭素固定・気候変動、黒土健全・保育、土壌環境修復に集中している。
廖氏は「中国、ロシア、米国、カナダ、ドイツは、世界的な黒土の保護関連研究を主導している。各国の黒土の土壌タイプ、開発程度、利用方法、保護措置などの差により、理論研究の重点も異なる。例えばロシアは、土壌の生成・変化と保護的耕作の研究を重視し、米国は保護的耕作や黒土の健全・保全、カナダは黒土作物栽培の研究を重視している」と語った。
廖氏はさらに「スマートモニタリングや微生物学、現代設備などの新興テクノロジーが、黒土保護・利用の新たな原動力となり、学際的な協力が黒土保護を促進する重要な支えとなっている。将来的に学際的融合や新興技術応用などで新たなブレイクスルーを目指し、黒土保護・利用における重要な難題を解決する必要がある」と強調した。
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