中国の研究チーム、タイの「人工太陽」建設に協力

2023年07月31日

　中国科学院合肥物質科学研究院プラズマ物理研究所（プラズマ物理研）とタイ原子力技術研究所（TINT）が協力して建設したタイ・トカマク1号装置（TT-1）が25日、タイで正式に引き渡され、物理実験が行われた。科技日報が伝えた。

　TT-1はプラズマ物理研第2世代トカマクHT-6Mをベースに通常型磁石トカマク装置を高度化改造したものだ。プラズマ物理研は2017年8月、TINTと協力協定に署名し、TINTへのHT-6M装置の寄贈を決定。装置の改造や工学技術の研究開発、物理実験の実施、核融合人材育成などで、TINTに全面的なサポートを提供することを決めた。

　プラズマ物理研はTINTと「一帯一路」構想に積極的に取り組み、タイ初のトカマク装置を共同で完成させ、タイの核融合若手研究者チームの育成をサポートした。

　TT-1の完成と実験運用は、中国・タイ核融合協力の大きな成果で、両国の科学技術イノベーション協力の注目点にもなっている。プラズマ物理研とTINTは実務的協力を引き続き行い、ASEANのより多くの若手研究者を核融合科学研究に参加させることで、TT-1を両国科学技術協力の模範とし、中国・ASEAN核融合研究センターを共同で建設していく。