2023年08月01日-08月04日
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中国、2025年に次世代炭素衛星を打ち上げ

2023年08月01日

 中国北京市で26日、「世界人為的炭素排出・陸地生態系炭素収支リモートセンシング評価科学報告」が発表された。同報告は中国科学院空天信息創新研究院が主導して作成。衛星リモートセンシング技術を利用し、世界と主要国の人為的な炭素排出と陸地生態系炭素収支の状況を評価している。文匯報が伝えた。

 「ダブルカーボン」(CO2排出量ピークアウト・カーボンニュートラル)の目標達成には、世界の炭素量の正確な検査が前提条件となる。衛星リモートセンシングは人類活動や生態系と大気の二酸化炭素(CO2)交換状況を定量モニタリングでき、世界で認められた新たな炭素の検査方法となっている。

 中国科学院の呉一戎院士(アカデミー会員)は、「衛星リモートセンシングは世界の炭素循環の高精度で高精細なモニタリングに不可欠な技術で、中国の炭素調査実施にとって重要な意義を持つ。中国の炭素衛星は世界のCO2濃度の高精度観測ができるだけでなく、世界と主要国の純炭素フラックス、すなわち陸地と大気の間のCO2純交換量を同化・逆推定できる。国別や世界規模の純炭素フラックスがゼロかゼロ以下の場合、国や世界のカーボンニュートラルの目標が達成される。中国の炭素衛星の計算同化・最適化を経た世界純炭素フラックスは計算の誤差が大幅に縮小されており、年間純炭素フラックスの計算の誤差はすでに34億トンから4億7000万トンにまで低下している」と述べた。

 中国は2025年に次世代炭素衛星を打ち上げる。これにより、高い分解能と効率によって世界のCO2濃度がモニタリングできるようになる。世界の炭素検査と国の「ダブルカーボン」戦略目標に対し、独自の科学データを提供していく。

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