中国気象局は3日、2022年「中国極地気候変動年次報告書」を初めて発表した。同局科学技術・気候変動司の張興贏副司長は、「中国気象局が中心となり作成したこの年次報告書は、極地の気温、異常気象、海氷、主要温室効果ガス、オゾンの総量などの最新観測事実措置と長期変動傾向の評価結果を提供し、極地気候変動の基本状況を科学的かつ客観的に反映している」と述べた。人民網が伝えた。
同報告書によると、極地では気温の変化が顕著になっており、北極ではこの40数年間で気温上昇が加速し、全体的な気温上昇ペースは1979~2022年の間に0.63℃/10年に達した。これは同期の世界の気温上昇ペース(0.17℃/10年)の3.7倍に当たる。22年、北極全体の平均気温は例年を1.10℃上回った。一方、南極の気温は平均と比べ大きな変化はなかった。
中国気象科学研究院グローバル変化・極地研究所の丁明虎所長は、「中国気象局は1981年より南極・北極の気象観測と研究活動を行っている。40年以上の努力を経て、中国極地研究センター、国家海洋環境予報センター、中国科学院雪氷圏科学国家重点実験室などの機関と共に、南極で20カ所余りの気象観測所を設置した。うち8カ所がすでに国の測候所になっている。20カ所余りは多くないように見えるが、全世界の南極地域における気象観測所は約160カ所で、中国の数は2位だ。中国の南極観測はすでに16年になり、発展ペースは米国に次ぐ」と説明した。
丁氏は「これらの観測所は、気象や放射、オゾンホール、温室効果ガスなどの長期的で持続的な観測を通じ、南極と北極の自然状況を理解する最も基礎的で重要なデータを提供し、中国の大気、海洋、雪氷圏などの学科の発展を支えている。南極・北極地域の気候変動は全人類の運命に関わるものだ。極地超低温地域で長期観測を行う能力を持つ数少ない国として、グローバルガバナンス、そして気候変動への正確な対応に中国の知恵を提供し、社会的責任を示す」と述べた。