2023年08月07日-08月11日
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洪水被災地の通信を保証する画期的技術

2023年08月09日

 中国の複数地域で最近、洪水や地質的災害が発生している。被災者には「早急に家族と連絡し、我慢強く救助を待ってください。ご無事で」。とのショートメールが送られるが、通信キャリアは被災地の通信回復をどのように保証するのだろうか。中国新聞網が伝えた。

 北京市の門頭溝地区と房山地区では、連絡が途絶えたすべての村で連絡手段が回復した。

 3大通信キャリアは今回の被災地通信保証でさまざまな画期的な技術を投入した。これには緊急通信車や衛星携帯型ステーション、衛星電話、ドローン、携帯型衛星バックパックステーション、設備遠隔動画伝送、オフロード衛星緊急車などの各種先進設備・施設が含まれる。

 今回の災害救助保証活動の科学技術力は空前の規模で、豪雨による停電や道路の寸断、山津波、複雑な地形などに対応できる。これは今回の緊急修理・救助活動で短時間内に通信が回復したことの重要な理由となっている。

 複数の地域ではドローン通信が頻繁に使用された。北京移動はSG500とDG-20Mの2種類の緊急通信ドローンを相次いで出動させた。中国電信(チャイナ・テレコム)はマルチローター固定翼ドローンや無人巡視船などを投入した。

 中国聯通(チャイナ・ユニコム)の山東支社である山東聯通は3日、6ローター係留式ドローンを河北省淶水県に緊急で派遣した。このドローンは係留式マルチロータードローンプラットフォームを採用。複合係留ケーブルを通じて電力と情報を提供し、上空200メートルに浮上する。滞空時間は24時間を超え、12平方キロ近くに及ぶ被災地で、連続的な通話やインターネット接続などの通信保証を提供する。

 通信キャリアはこのほか、低周波数帯の措置も講じた。北京市門頭溝区で4日夜、基地局の信号をより多くの人に届けるため、基地局に900MHz低周波数帯を追加する通信キャリアが登場した。

 被災後で通信を活用するにはどうすべきか。

 「早急に家族と連絡し、我慢強く救助を待ってください。ご無事で」というショートメールを受信した場合、早急に連絡するべきだ。ドローンの滞空時間は限られており、同時に接続できるユーザー数にも上限があるためで、これを逃せば次の機会を待たなければならなくなる。

 例えばDG-M20係留式ドローンの緊急通信高空基地局は新たな緊急通信方法で、被災後の通信を急速に回復し、緊急通信保証能力を高めることができる。地震や洪水などの自然災害により広い範囲で通信が途絶えた場合に、ドローンを使い基地局設備を200メートルの上空に設置することで、半径最大3キロの範囲内の電波がカバーできる。4時間以上連続で滞空し、ユーザー1400人の同時接続をサポートする。

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