2023年08月14日-08月18日
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中国独自開発のカンチレバー橋梁架設装置が工事現場に投入

2023年08月16日

 中国河北省の雄安新区と山西省忻州市を結ぶ雄忻高速鉄道の山西省区間にある同河特大橋で13日、中鉄三局集団有限公司(中鉄三局)と中鉄第五勘察設計院集団有限公司が共同開発したXG-64型デッキトラス構造カンチレバー橋梁架設装置が投入された。中国新聞網が伝えた。

 同鉄道は全長342キロで、山西省区間は122キロ。うち第4セクションは全長32.155キロの86.9%を橋とトンネルが占めており、橋梁工事の構造が複雑で、特殊スパンの数が多い。同河特大橋は連続梁の全長が208メートル、最大径間64メートルで、施工作業の技術的難易度が高い。

 橋梁架設の安全かつ効率的な推進を確保するために開発された同装置は、中国で最先端の橋梁建設機械の一つで、軽量・スマート化されている。移動架台や型枠、電子制御液圧、安全防護、情報化、スマート制御などの各システムで構成され、スパンや断面が異なる連続梁の施工に使用できる。

 同セクションを担当するチーフエンジニアの余海鵬氏は「従来のバスケット設備は人工的にジャッキを利用してバスケットを前に移動させる必要があるが、今回投入された装置は自動走行のほか、型枠自動開合や自動散水メンテナンスなどの機能がある。設置と取り外しがスムーズで、構造が安全で安定しており、従来の連続梁バスケットにあった転覆のリスクを効果的に回避できる」と説明した。

 中鉄三局六公司鋼構造分公司の責任者である喬偉田氏は「カンチレバー橋梁架設装置の組み立ては8日間しかかからず、従来のバスケット設備の組み立てより効率が20%上がった。同装置の型枠走行の調節は1セグメント当たりわずか6時間で、従来のバスケットの半分となっており、人手や機械の使用だけでなく、時間的コストも大幅に削減された」と述べた。

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