中国は15日、初めての「全国生態の日」を迎えた。北京市経済・情報化局によると、市内の国家級「グリーン工場」は112カ所となり、グリーン・低炭素が同市の質の高い発展における新たな標準装備となっている。新華網が伝えた。
北京市亦荘にある京東方科技集団(BOE)の工場の屋根にはソーラーパネルがずらりと並び、敷地内には廃水回収システムが設置され、再生水の100%生産が実現している。京東方では、この北京工場を含めた中国全土の工場の太陽光発電設備容量が114メガワット(MW)に達しており、これは温室効果ガス排出量約6万トンの削減に相当する。京東方のように、ますます多くの北京の工場が「グリーン(環境配慮)」を追求している。
「グリーン工場」とは、国家標準によると、土地使用の集約化、原料の無害化、生産のクリーン化、廃棄物の資源化、エネルギーの低炭素化を実現した工場のことを指す。北京市では各業界のグリーン工場が増え続けている。ABBグループの工場では、ビッグデータと人工知能(AI)を利用した設備のモニタリング・管理を実現しており、温室効果ガスの排出量が3年前より65%減少した。悦康薬業はボイラーの余熱を再利用することで、毎日数千キロワット時(kWh)のエネルギーを節約している。
同市経済・情報化局省エネルギー・総合利用処の何瑾処長は「北京は地方標準を持続的に最適化し、第14次五カ年計画(2021~25年)製造業グリーン低炭素発展行動案を制定、発表した。『グリーン診断』を開始し、第三者サービス機関が『訪問サービス』を行い、政府がグリーン技術改造資金を提供している。2020年より30件以上のプロジェクトを支援し、5000万元(1元=約20円)近くの補助金を支給している」と述べた。
グリーンな発展を実現するためには、サプライチェーン全体で推進する必要がある。京東方や北京ベンツなど複数の「チェーン主」は、川上・川下企業の炭素排出削減を牽引し、グリーンな生産を実現している。北京ベンツは宝山鋼鉄股份有限公司と調印した協力覚書で、今年からより環境に優しい低炭素鋼を使用し、26年から自動車の鉄鋼使用の炭素排出強度を50~80%引き下げるとした。
北京市は今後も新たなグリーン低炭素政策を検討、発表し、自動運転ミリ秒級反応やAI 大規模モデルなどの重点技術分野における省エネ排出削減に焦点を当て、条件を備えた企業と工業パークによるカーボンニュートラル実現に向けたロードマップの模索を支援していく。