2023年08月14日-08月18日
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「一帯一路」沿線国の食糧生産を支援する中国の「紅蓮稲」

2023年08月18日

 パキスタン・パンジャブ大学の教授2人がこのほど、中国湖北省羅田県河鋪鎮にある中国・パキスタン紅蓮型ハイブリッド稲共同研究センターを訪れ、耐高温新品種の開発状況について中国側研究者と話し合った。中国新聞が伝えた。

 紅蓮型ハイブリッド稲は中国工程院院士(アカデミー会員)で、武漢大学教授の朱英国氏のチームによる研究成果で、世界で認められているハイブリッド稲の一つとなっている。生産量が多く、米の質が良く、適応性が高く、高温や病虫害に強いという特徴がある。大まかな統計によると、世界の紅蓮型ハイブリッド稲栽培面積は累計3000万ヘクタール以上となっている。

 武漢大学は2021年にパンジャブ大学と共同で、羅田県河鋪鎮に中国・パキスタン紅蓮型ハイブリッド稲共同研究センター羅田拠点を建設した。ここでは現在、同品種の栽培面積が約467ヘクタールとなっている。

 同センターでセンター長を務める武漢大学生命科学学院教授の朱仁山氏は、「紅蓮型ハイブリッド稲は高温と干ばつと病虫害に強く、高品質で、『一帯一路』沿線国での栽培に特に適している」と指摘。「『紅蓮稲』はすでにパキスタンやインドネシア、フィリピン、バングラデシュ、ベトナムなどで広く推進されており、中国のハイブリッド稲種子の年間輸出に占める割合が最も高い」と説明した。

 パンジャブ大学のアシファク教授は「同センターは過去3年にわたり、拠点建設や会議開催、人的交流・研修などを通じ、パキスタンにおける紅蓮型ハイブリッド稲の栽培と拡大を力強く推進してきた。新品種も現地の農家や政府から広く注目され、好評を博しており、多くの種子の注文が入っている」と述べた。

 朱氏は「センターでは現在、紅蓮型ハイブリッド稲品種が持つ特徴を深く掘り起こし、生態試験や現地化開発を行っている。パキスタンや他の「一帯一路」沿線国に適した新品種を開発し、より多くの「一帯一路」沿線国と成果を共有したい」と説明した。

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