中国大陸から約40キロ離れた福建省平潭県沖にある三峡集団福建洋上風力発電所では、風力発電機数十基が休むことなく回転していた。新華社が伝えた。
同発電所で稼働しているのは巨大な16メガワット(MW)超大容量洋上風力発電機だ。現場での試運転に参加した福州海峡発電有限公司電力運営部の王建波マネージャーは「単一発電設備容量とブレードの直径が現在、世界で最大規模の洋上風力発電機だ。系統接続して発電開始から1カ月近くになるが、各種指標がいずれも予想通りだ」と述べた。
平潭海峡発電有限公司の賈小剛執行董事は「この1基で年間6600万キロワット時(kWh)のクリーン電力が発電できる。標準炭消費量を約2万2000トン削減し、二酸化炭素(CO2)排出量を約5万4000トン削減する」と述べた。
福建省海域は洋上風力発電資源が豊富で、クリーンエネルギーの開発条件に恵まれている。
今年6月には、福清市興化湾洋上風力発電所で洋上風力発電を用いた海水無淡水化原位置直接電気分解水素製造技術の海上中間試験が成功し、現在は第2世代技術の実証実験が行われている。東方電気(福建)創新研究院有限公司の執行董事を務める劉泰生総経理は「同プロジェクトは洋上風力発電などのグリーン電力を利用してグリーン水素を製造し、燃料電池車や他の産業用途に提供する。グリーン電力を使った電気分解水素製造により、ゼロ炭素エネルギー供給を実現する措置は、エネルギートランスフォーメーションの実現と『ダブルカーボン』(CO2排出量ピークアウト・カーボンニュートラル)の目標達成において重要な役割を果たす」と説明した。
国網福建省電力有限公司発展部の李栄敏副主任は「福建省のクリーンエネルギー発電設備容量は2022年末現在、4541万キロワット(kW)に達した。洋上風力発電設備容量は321万kWで国内3位となっており、洋上風力発電が徐々に福建省のグリーン発展の新たな原動力になっている」と説明した。