2023年08月28日-08月31日
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中国初のガス田地下デジタルスマート化システムが使用開始

2023年08月28日

 中国の珠海金湾高欄ターミナルに4年かけて建設されたガス田地下デジタルスマート化システムが、複数回の試運転や最適化を経て、今月から使用開始となった。中国初のガス田地下デジタルスマート化システムの導入により、白雲ガス田クラスターでは新たな作業スタイルへと転換することになり、ガス田全体の採掘率が3~5%向上する見込みとなっている。広州日報が伝えた。

 白雲ガス田クラスターは南シナ海東部に位置し、現在は「番禺34-1」「茘湾3-1」などガス田9カ所を有し、総距離1000キロ以上の海底パイプライン18本により、採掘した天然ガスを絶え間なく珠海金湾高欄ターミナルなどに送り、加工処理後に珠海パイプラインやタンクローリーなどで、粤港澳大湾区(広東・香港・マカオ・グレーターベイエリア)の各地に輸送する。

 同ターミナルのガス田地下デジタルスマート化システムはガス田開発における中枢で、埋蔵や採掘、集中輸送などの天然ガス開発・生産過程を管理し、ガス田クラスターの開発・生産の協同性と作業効率を大幅に高めている。システムはガス埋蔵、ガス井、パイプラインの一体化分析モデルを構築するとともに、相互連携によるデータ交換が可能で、中国初のガス田クラスター一体化デジタルツインを形成した。高精度動的シミュレーションやモデル結合、機械学習などの先進技術を従来の海上ガス田開発分野と融合させ、ガス田開発・研究における協同性、精度、効率の低さという従来の不足を補っている。

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