エアコンを設置しなくても、真夏に涼しさを感じることができる。中国広東省深圳市前海地区の住民は、この夏に試運転を開始した大規模集中冷房システム「4号冷房ステーション」に称賛の声を上げている。中国青年報が伝えた。
深圳前海深港現代サービス業協力区の地域集中冷房システムは、環境に配慮した自由貿易区の建設における注目点となっている。全体計画によると、前海地区内の13の開発エリアに10カ所の冷房ステーションと長さ90キロの都市行政冷房パイプラインを設置する。総投資額は40億元(1元=約20円)で、総規模は40万冷凍トン、総冷房面積は1900万平方メートルとなる。
桂湾エリアの4号冷房ステーションがこの夏、全面的な試運転を開始した。この冷房システムは主にオフィスやホテル、商業施設、地下鉄駅、データセンターなどの施設にサービスを提供する。電気冷却と氷蓄熱を組み合わせた冷房技術を採用しており、前海地区の集中冷房プロジェクトで初めて動的氷蓄熱技術を応用した。
この技術は効率的な熱交換器を使い、水を0℃以下の過冷却水にし、さらに熱交換器の外で超音波により過冷却水を流動する氷スラリーに変化させることで、効率的な製氷と高密度の蓄冷を実現した。
酷暑の中、中国南部の公共建築物のエネルギー消費量は民間用建築物よりもはるかに高く、電力消費が日中に集中している。そのため、電力消費のピーク時に電力不足が生じ、夜間のオフピーク時には電力が十分に利用されていない。氷蓄熱式空調は夜間の電力を使って氷を作り、蓄えることで、ピーク時の空調の電力負荷とシステム設備容量を減らす。電力供給システムのピーク調整とピークシフトを行い、夜間の電力浪費問題を解決する。
4号冷房ステーションの面積は216万平方メートルで、24時間365日連続で冷房が供給できる上、都市行政冷房パイプラインによって、利用者により安全で安定した高品質の空調サービスを提供する。都市のヒートアイランド現象を効果的に弱め、エリア内の炭素排出を減らし、都市生活の質を高めることができる。
