2023年08月28日-08月31日
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中国で「スマートファクトリー」が順調に拡大

2023年08月31日

 中国北京市にある小米(シャオミ)スマートファクトリーは24時間連続で稼働しており、人が作業しなくても機械が自動で生産に協力し、品質管理を行っている。上海市にあるテスラのギガファクトリーは1年足らずで完成し、今ではプロセス全体の自動化生産が可能になった。山東省青島市にあるハイアール中独冷蔵庫相互接続工場はインターネットを通じた「パーソナライズ」サービスを提供し、人工知能(AI)を活用してリビングデザインを行っている。これらは人々の熱い注目を集めているスマートファクトリーだ。人民日報海外版が伝えた。

 スマート製造技術によって活性化された新型工場が成長している。今年に入り、中国では製造企業の改造・高度化ニーズが持続的に引き出され、製造業のスマートトランスフォーメーションが好調な成長の勢いを保ち、イノベーションの注目点が数多く出現している。

 スマートファクトリーの内部はテクノロジー感があふれている。北京市中関村昌平園にある福田康明斯(カミンズ)エンジン工場では、毎日600台以上のエンジンが生産されているが、作業員の姿はほとんど見られない。中関村順義園の理想汽車北京工場では、ロボットとAI機器が人の代わりに品質検査を行っている。昌平区南口の三一重工産業パークでは、1台の杭打ち機を導入することで生産期間が1カ月から1週間に短縮された。

 工業・情報化部(省)報道官で、運営モニタリング協調局局長の陶青氏は「これまで各地に建設されたデジタル化作業場やスマートファクトリーは8000カ所近くに上る。うち2500カ所以上はスマート製造能力の成熟度が2級以上に達し、デジタルトランスフォーメーションをほぼ完了している。209カ所はスマート化のアップグレードを模索し、世界トップレベルのスマート製造モデル工場になっている」と説明した。

 同部のデータによると、これらのモデル工場はトランスフォーメーションにより製品の研究開発期間を平均20.7%短縮し、生産効率を34.8%高め、製品不良率を27.4%引き下げ、炭素排出量を21.2%減らした。

 中国はどのような現代製造業を必要としているのか。スマートファクトリーは新しいシーンやプラン、モデルが次々と登場し、全く新しい答えを示している。

 例えば、北京市経済技術開発区では2022年末現在、15カ所のデジタル化作業場と16カ所のスマートファクトリーが完成している。三一智造や三元食品、京東方、紅星などの企業が次々とスマートファクトリーを建設した。生産プロセス全体で人を必要とせず、消灯後も生産作業を行える。このような「ダークファクトリー」では一連の先進技術により、消灯後に無人作業をしても生産の質が保証でき、効率も大幅に向上した。

 業界関係者によると、新しい製造モデルはすでに概念の枠組みから実用化へと向かっている。工業・情報化部のデータによると、今年5月末時点で、重点工業企業における重要工程のデジタル制御率が59.4%に達しており、業界発展を牽引する累計1700カ所以上のデジタル化作業場やスマートファクトリーが形成されている。中国で一定の影響力を持つインダストリアルインターネットプラットフォームは240以上で、重点プラットフォームのデバイス接続数は8900万台(セット)以上となっており、新たな応用、シーン、業態が次々と誕生している。

 
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