2023年09月11日-09月15日
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墨子サーベイ望遠鏡、9月中旬に観測開始

2023年09月11日

 中国科学院紫金山天文台青海観測所によると、北半球でサーベイ観測口径が最も大きい「墨子サーベイ望遠鏡」が、プロジェクト調整と試験観測の段階に入った。9月中旬に観測を開始する見込みとなっている。中央テレビニュースが伝えた。

「墨子サーベイ望遠鏡」は2.5メートル広視野サーベイ望遠鏡で、青海省海西モンゴル族チベット族自治州の冷湖天文観測拠点で2019年7月に着工した。中国科学技術大学と中国科学院紫金山天文台が共同建設した天文学における「双一流」学科プラットフォームとなっている。望遠鏡の口径は2.5メートルで、7億6500万画素の大面積メインフォーカスカメラを搭載。天文動的事象の捜索・観測と、時間領域天文の観測・研究を主な科学目標としている。

 冷湖天文観測拠点は平均標高は約4000メートル。植生が少なく、酸素が薄く、降水量が少なく、大気のシーイングが良好で、光害が少ないといった特殊な条件を備えており、ユーラシア大陸全体で最も優れた天文観測地点の一つになっている。2017年の着工後、同拠点では11の科学研究機関の望遠鏡プロジェクト12件が実施されている。総投資額は27億元(1元=約20円)で、すべて完成すると、アジア最大の天文観測拠点になる見込みだ。

 
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