中国広東省では、今年7月末までのグリーン電力成約量が約36億キロワット時(kWh)となり、今年上半期(1~6月)の「横琴・広東・マカオ緊密連携エリア」における社会全体の電力消費量の約9倍に上った。3人家族の年間電力消費量を3000kWhとすると、約120万世帯の年間電力消費量を賄える計算になる。広東グリーン電力成約量は現在、累計51億kWh以上となっており、これは標準炭消費約184万トン、二酸化炭素排出量400万トン以上の削減に相当する。人民日報が伝えた。
広東省ではグリーン電力取引のテスト事業が2021年9月に始まった。グリーン電力取引に参加する経営主体は当初、十数社だったが今年には200社以上に増加。金属・製造やセメント・建材、エネルギー・化学工業、飲食、バイオ医療など複数の業界に及んでいる。
広州経済技術開発区にある吉百利糖果(広州)公司は21年より、グリーン電力取引に参加している。グリーン電力消費量が同社の実質電力消費量に占める割合は現在80%にのぼっており、来年には100%を実現する計画だ。
データによると、輸出中心型企業はグリーン電力購入の積極性がより高い。東莞市にある万裕三信電子公司の年間売上高は18億元(1元=約20円)で、うち輸出業務が40%を占めている。同社の厖天国氏は「海外の取引先が当社のグリーン電力消費量を重視している。グリーン電力消費量はすでに当社の輸出の加点項目になっている」と述べた。同社は今年初めよりグリーン電力取引に参加しており、現在は同社の実質電力消費量の10%を占めている。
エネルギーの中央企業である南方電網広東電網公司もグリーン電力の消費に積極的に参加している。南方電網広東珠海横琴電力供給局線路工区は今年7月、グリーン電力を導入した。ゼロカーボン炭素建築プロジェクトの技術責任者である李建標氏は「このビルの電力の80%が、外部から購入するグリーン電力で賄われている。全体的な炭素削減量がビル運用のエネルギー消費による炭素排出量を上回るように保証し、100%のゼロカーボンエネルギー応用を実現している。同規模の建築物と比べると、炭素排出量を年間900トン近く削減できる見込みだ」と述べた。
統計によると、広東省の今年上半期のグリーン電力成約量は21年通年と比べて約120倍増加した。南方電網広東電力取引センター発展研究部責任者の陳青氏は「22年の広東省グリーン電力取引に参加した電力ユーザーのうち消費量が500万kWhだったのは約4割で、1000万kWh以上が2割を超えた。これは電力消費企業がグリーン電力の購入により積極的になり、社会各界のグリーン電力消費の意識がさらに高まり、グリーン電力取引市場の規模が急速に拡大していることを物語っている」と説明した。