2023年09月19日-09月22日
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中国、2030年までに対策可能な砂漠化土地の67%を改善

2023年09月22日

 中国の「全国砂漠化対策計画(2021~30年)」の全文がこのほど発表された。同計画は今後一定期間の砂漠化対策について、全体的アプローチや活動の重点、目標任務を明確にし、砂漠化対策の全面的、科学的、体系的、持続的な実施と質の高い推進に役立てる。人民日報が伝えた。

 中国の砂漠化対策は顕著な成果を上げており、累計2033万ヘクタールの砂漠化対策業務を行い、対策可能な砂漠化土地の53%で整備が行われた。国内の砂漠化土地面積は減少が続き、重点対策エリアでは「砂が進み、人が退く」から「緑が進み、砂が退く」への歴史的な変化が実現した。

 同計画は、今後一定期間の砂漠化対策の目標を明確にした。2025年までに砂漠化土地対策を680万ヘクタール実施し、砂漠化土地封鎖保護面積を200万ヘクタールにする。30年までに砂化土地対策任務を1240万ヘクタール実施し、砂漠化土地封鎖保護面積を600万ヘクタールにし、全国の対策可能な砂漠化土地の67%を改善する。

 同計画はまた、砂漠化土地の空間分布や、対策方向の類似性、地域的な集中性などの要素を総合的に考慮し、砂漠化土地を干ばつ砂漠、オアシス、半干ばつ、青蔵高原(チベット高原)寒冷高地、沿海・川沿い湿潤などの砂漠化土地タイプエリアと23の対策エリアに分ける。

 国家林業草原局荒漠化対策司の孫国吉司長は「砂漠化土地の分布の特徴や水資源の許容力などに基づき、計画は7カ所の重点建設エリアを決定した。このうち、内モンゴル東部および北京・天津・河北の山間部・丘陵地、クブチ砂漠およびムウス砂漠、河西回廊およびアルシャー(阿拉善)高原の3エリアを優先対策エリアとし、各地の実情を踏まえて、砂漠化対策を強化する。グルバンテュンギュト砂漠およびオアシスエリア、タクラマカン砂漠およびオアシスエリア、ツァイダム盆地および共和盆地、チベット『2江4河』河谷の4エリアを優先予防エリアとし、砂漠化土地の保護を中心に行い、対策を補完する」と説明した。

 孫氏はまた、「生態を守った上で、生態観光を適度に発展させ、人々の美しい生態環境に対するニーズを満たし、地域経済・社会の発展を促し、人々の砂漠化対策や生態保護の意識を高める」と述べた。

写真はムウス砂漠にある寧夏ラベンダー園。

 
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