2023年10月02日-10月06日
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渡り鳥に北斗衛星測位装置を装着し、移動ルートを解明

2023年10月02日

 鳥類標識調査は渡り鳥の移動やその法則性を研究する重要な手段である。中国江西省吉安市遂川県は鳥類移動の重要ルートの一つとなっており、現地の自然保護区の作業員は今年、渡り鳥の移動をサポートするため、初めて渡り鳥に北斗衛星測位装置を装着した。中央テレビ網が伝えた。

 毎年9~10月は渡り鳥の群れが南に移動するピーク期で、鳥類標識調査は通常、この時期に行われる。調査では、渡り鳥を網で捕獲し、個体測定やサンプリングを行うとともに、脚に中国の渡り鳥標準番号の入った金属製の輪を付ける。研究者は今年の標識調査から、北斗衛星測位技術を駆使して国際共通基準に基づき特別に開発した小型軽量化装置を渡り鳥に装着することにした。

 江西師範大学生命科学学院の大学院生、王朝陽氏は「これは背負うタイプの追跡装置で、重さは6.5g。このシラサギの体重の3%未満だ」と紹介した。

 この衛星追跡測位装置は渡り鳥の移動を研究するために開発した小型化・軽量化装置で、渡り鳥が飛び立った後に持続的かつ定期的に位置情報を送信し、渡り鳥の移動ルートを明らかにすることができる。

 江西南風面国家級自然保護区管理局のシニアエンジニアである朱高棟氏は、「この衛星追跡装置を利用すれば、正確で速やかに移動ルートを知ることができる。どこから、いつ来たのか、飛行の速度と高度はどのくらいかが、いずれも正確に把握できる」と説明した。

 保護区ではこれまで、累計3万8000羽の渡り鳥の標識調査を行っている。今シーズンはすでに614羽となっており、このうち衛星測位追跡装置を装着した標識調査鳥類は36羽で、すべて順調に稼働している。これらの渡り鳥は北斗衛星測位装置を持ち、移動中の各種データを科学研究者に送信し、渡り鳥の移動ルート、移動時間の研究に科学的データを提供する。

 
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