2023年10月16日-10月20日
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陝西省の延安と楡林にトキを導入する試験が開始

2023年10月17日

 中国陝西省林業局によると、同省の延安市と楡林市にトキを導入する試験が10日、延安市宝塔区の南泥湾国有生態林場盤竜管理保護ステーションと楡林市横山区白界鎮の黒峁墩村で始まった。陝西省が陝北地域でトキの人工飼育・繁殖および野生復帰・放鳥の試験を実施するのは初めてとなる。中国新聞網が伝えた。

 試験拠点では、陝西漢中トキ国家級自然保護区管理局から運ばれてきた20羽のトキと、秦嶺ジャイアントパンダ研究センターから運ばれてきた20羽のトキが、それぞれ南泥湾と横山トキ人工飼育・繁殖及び野生復帰・放鳥試験拠点の新居に「入居」した。トキの提供側と受け入れ側はトキ保護管理協定書に署名した。双方はトキの保護やPR、飼育管理、技術サポート、科学研究、トキの野生復帰・放鳥などの取り組みを約束した。

 中国科学院動物研究所の鳥類専門家である劉蔭増氏は「トキは今回北上し、秦嶺山脈を越え、長江流域から黄河流域に入ったことで、徐々にトキの移動の習慣を取り戻し、寒冷地での生存に適応する能力を育む。北方地域のトキ再導入の道筋を模索し、経験を蓄積する。これは中国のトキ個体群再構築が新たな段階を迎えることを示している。延安と楡林は歴史的にトキが分布していた。今回のトキ北上はトキ保護の新たなブレイクスルーと試みであり、トキの歴史的な分布を再現する重要な模索でもある」と述べた。

 延安市と楡林市はここ数年、生態保護・修復を持続的に強化し、「三北」(西北、華北、東北)防護林体系建設プロジェクト、「退耕還林」(耕地を森林に戻す)、天然林保護、湿地回復などの生態保護プロジェクトを持続的に実施している。両地域の生態環境は大幅に改善され、トキの野外生存の条件を満たし、トキの歴史的な分布の再現の基本的な条件を備えている。

写真は南泥湾の「新居」で休憩するトキ。

 
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