中国黒竜江省の複数の地域がこのほど、豪雪に見舞われた。ハルビン市の最大降雪量は20ミリ以上で、積雪は高速列車の運行に影響を及ぼした。中国鉄路ハルビン局集団は独自開発した新型高速列車除氷・除雪装置を投入し、融雪効率が2倍以上になった。科技日報が伝えた。
高速列車の台車には、安全運行に関わる100以上の重要部品がある。豪雪での高速運行中は、レール上の積雪が台車に入り込むことがあり、高速列車のブレーキクランプが結氷・凍結しやすくなる上、高速列車のブレーキ・速度センサーなどが氷雪によって破損・変形しやすく、安全運行に影響を及ぼしてしまう。
中国初の寒冷地高速鉄道である哈大(ハルビン-大連)高速鉄道が2012年に開通してから、高速列車の点検修理担当者は人工的に除雪を行ってきた。しかしこれは効率が低く、8両編成の場合は16人で4時間かけて作業する必要があり、その上、車体を傷つけやすかった。同社は17年に中国初のHTK-CBX0型寒冷地高速鉄道除氷・除雪装置を独自開発し、除氷・除雪の効率を高め、2人が1時間だけ操作すれば完了できるようになった。しかし、過去6年間の投入では、高速列車の操車が遅く、待機時間が長いという問題が存在していた。
同社は今年1月、除氷・除雪装置をベースに研究開発を行い、除氷・除雪の改良版を開発した。除氷・除雪高圧装置は腹膜給水による集中適時加熱、恒温・恒圧給水、二次増圧などの技術を採用し、水源の急速な加熱と二次加圧を実現し、列車全体の同時作業ができるようになった。作業で用いるノズルの数が異なっても、水圧と温度の安定を保つことが保証されている。
除氷・除雪高圧装置には手持ち・急速装着式ノズルが搭載されており、そこから放出される温水により台車の結氷と積雪をスピーディに融かし、剥がすことができる。扇形水柱のノズルの採用により、従来の柱状ノズルより噴水範囲が広がった。長さ約10メートルの耐摩耗材質のチューブにより、隣接する3本のレール上の高速列車の除氷・除雪作業を同時に行うことができ、1本当たりの平均作業時間はわずか40分となった。