中国北京市で17日、第1回地球システム数値シミュレーション科学大会が開かれた。その中で、中国科学院大気物理研究所は、中国が独自の知的財産権を持つ「完全な」地球システム数値モデルを発表し、ソースコードを公開することを明らかにした。これは中国の地球システムモデルが協同開発、協力、ウィンウィンの新たな段階に入ったことを示している。中央テレビニュースが伝えた。
同モデルは気候システムや生態環境システムを含み、大気還流、海洋還流、陸上プロセス、海氷、エアロゲル・大気化学、植生ダイナミクス、陸地生物地球化学、海洋生物地球科学の8つのサブシステムモデルを集積し、カプラーにより地球各層間の物質、エネルギーの交換を実現する。
このモデルシステムに基づく完全な「数値シミュレーション」は、気候と環境の変化の法則の模索と理解、複数層の相互作用メカニズムの研究、将来の地球システムの変化の予測に役立ち、防災・減災や将来の気候変動対応など、国の重要な戦略的ニーズに対し、政策決定の根拠と科学技術によるサポートを提供する。
同モデルは中国国内の関連分野のトップレベルチームが共同で開発。地球科学や数学、コンピューター科学など複数学科の研究力を集積し、学際的融合のモデルとなっており、国家重要科学技術インフラ「地球システム数値シミュレーション装置」の中核ソフトウェアでもある。計約270万行のプログラムコードがあり「地球実験室」とも呼ばれている。
同モデルは2020年より、第6期結合モデル相互比較計画(CMIP6)の数値シミュレーション試験に参加しており、熱帯の風やAMOC(大西洋南北熱塩循環)、ENSO(エルニーニョ南方振動)などの指標のシミュレーション性能は世界トップレベルとなっている。