2023年11月20日-11月24日
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海外で好評博す中国のサービスロボット

2023年11月24日

 英紙「フィナンシャル・タイムズ」の報道によると、韓国の飲食業界は労働者不足や人件費高騰、利用客の非接触型サービス志向に対応するため、人に代わる大量のサービスロボットを導入している。韓国ロボット産業協会のデータによると、飲食店では2022年に約5000台のサービスロボットが使われたが、うち70%以上が中国製だった。

 日本経済新聞社の英字誌「Nikkei Asia」によると、中国のサービスロボットメーカーは世界中から注文を受けている。2016年設立の普渡科技は、22年の売上高が1億ドル(1ドル=約148円)に達した。上海に本部を置く擎朗智能科技も現在、海外事業の拡大ペースを加速させようとしている。同社は22年末までに約3万5000台のサービスロボットを販売しており、うち1万台近くを海外で販売した。

 中国のロボット産業はここ数年、急速に発展しており、サービスロボット産業の規模が高い伸び率を維持している。統計によると、22年における中国のロボット産業の売上高は1700億元(1元=約21円)以上で、世界最大の市場の地位を維持している。国際ロボット連盟(IFR)が発表したデータによると、中国のロボット産業は今年上半期に安定成長を維持し、サービスロボットの生産台数が前年同期比9.6%増の353万セットとなった。

 中国のサービスロボットメーカーは世界市場への進出を急いでいる。インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)が7月に発表した報告書によると、人件費の高騰やロボットの市場普及率の低さ、海外販売の利益率向上といった要因を受け、22年には多くのメーカーがサービスロボットを事業拡大の焦点とした。複数の企業では、海外事業の売上高が中国市場と同等、あるいは大きく上回った。中国の商用サービスロボットメーカーの海外における売上高は22年、前年比103.4%増の約2億ドルにまで伸びた。普渡科技や高仙自動化、擎朗智能などの中国商用サービスロボットメーカーは、海外展開において、業界をリードする売り上げ水準となっている。

 中国が研究開発し生産するサービスロボットの優位性は主に、技術、価格、サービスの3つに集中している。技術面では、先進的な人工知能技術をサービスロボットに応用しており、安定性とスマート化水準が高い。価格面では、整備されたロボット関連産業チェーンを有し、ロボットのコストパフォーマンスが高い。サービス面では、中国メーカーは利用者の需要に基づきカスタマイズしたサービスを提供している。

 
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