2023年11月27日-11月30日
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再生稲の1ムー当たり生産量、1318.7キロに

2023年11月27日

 中国工程院院士(アカデミー会員)の康紹忠氏ら、著名専門家で構成された生産量測定チームが、福建農林大学が担当する「優良再生稲科学技術成果モデル普及」プロジェクトのモデルエリアで第2期の生産量測定と検収を行った。その結果、収穫量は最大で1ムー(約667平方メートル)当たり606.94キロ、平均で1ムー当たり551.17キロとなった。これに第1期の1ムー当たり767.8キロを足すと、今年の再生稲の生産量は1品種2期作で1ムー当たり平均1318.97キロとなり、中国国内でトップレベルになった。科技日報が伝えた。

 康氏は「非常に驚くべき結果で、再生稲の生産量がこれほど高いとは予想外だった。全プロセス機械化再生稲栽培技術は、農村部の労働者不足の問題を緩和し、南方地域の稲作エリアで採用すべき稲作モデルだ」と述べた。

 これまでは再生稲の第1期は、人の手による収穫が必要だったが、労働者の移転と人件費の高騰に伴い、このモデルは農家から受け入れられなくなった。一方、通常の機械によって第1期の稲を収穫すると、稲の切り株を押しつぶしてしまうため、2回目の出穂や最終生産量に影響を及ぼしてしまう。

 福建農林大学の林文雄教授は「再生稲の全プロセス機械化は、栽培技術が高く要求される稲作モデルだ。農家に再生稲栽培技術を理解してもらい、大規模食糧生産者に栽培の自信を取り戻してもらうため、われわれのチームは2015年に福建省南平市建陽区農業農村局と、区内の水吉鎮和平村に1000ムーモデルエリアを建設し、技術普及と成果の転化を行った。モデル拠点は再生稲栽培の良種・良法を結び付け、農機と農業技術の深い融合により、機械収穫再生稲が持っていた発芽率が低く、稲を押しつぶして生産量が減ってしまうという難題を効果的に解決した。再生稲の生産量と品質が大幅に高まり、8年連続で1ムー当たりの生産量が1トンを超えるという目標を達成した」と説明した。

 水吉鎮の大規模生産者である李家寿さんは「稲作は以前ほど大変ではなくなった。田起こしや施肥、田植え、収穫から乾燥に至るまでの全プロセスで機械化がほぼ実現した。福建農林大学の科学技術チームによる技術指導のおかげで、再生期の稲の1ムー当たりの生産量が約300キロ増えた。しかも再生稲は米の質が優れ、口当たりが良く、市場の需要に供給が追いついていない。再生期の収穫が終わった後、冬の野菜を植えるため、収益がさらに増える」と語った。

 林氏は「この技術は生産量と収穫量を増やすだけでなく、炭素排出量も削減できる」と説明した。試算によると、同技術を応用した再生稲は一般的な早期・晩期水稲栽培モデルと比べ、水の使用量が15.1%減少する。稲の単位生産量当たりのメタン排出量は34.11%、二酸化炭素排出量は20.40%それぞれ減り、施肥量も20%減少する。

福建農林大学
 
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