2023年12月01日-12月08日
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チベット自治区、5Gが産業の発展に貢献

2023年12月04日

 中国チベット自治区ニンティ(林芝)市巴宜区の北西部に位置する拉丁嘎村は、鬱蒼とした原生林に囲まれている。森林警備員の索朗次仁さんは、林道を奥まで進みながら、周辺の木々を撮影・記録し、発見した問題を速やかにシステムのバックグラウンドにアップしている。これは同市が森林警備員のために作った携帯アプリで、巡回中に発見した問題を記録できるほか、森林警備員の足跡を記録することもでき、森林保護活動の科学性と正確性を保証している。

 これらには安定的なネットワークのサポートが不可欠だ。索朗次仁さんは「村が5Gネットワークに接続してから、私たちが使える設備と施設が増え、果たす役割も大きくなっている」と述べた。

 村の入口では、ライブ配信を行う観光客の姿が目につく。周辺に有名な森林公園があることから、多くの観光客が旅の途中に拉丁嘎村を訪れる。村をカバーする5Gネットワークにより、これら観光客によるシェアがよりスムーズになり、訪問もより便利になった。

 ネットワークの利便性向上とともに、外部の人のニンティに対する理解がより深まっている。毎年の3~4月になると桃花祭が複数の地域で開かれ、多くの観光客が集まる。5Gネットワークの広帯域により、これらの風景区では桃の花の風景を楽しむライブ配信が行われ、各地の視聴者は現地に行かなくても桃の花の美しい風景が観賞できる。またメンリン(米林)県のリンゴやブドウ、ザユル(察隅)県のキウイフルーツ、メトク(墨脱)県の土鍋やお茶などが、5Gネットワークによりライブ販売され、農家が豊かになり、農業の振興につながっている。

 5Gネットワークのカバーは産業の発展にも新たなアプローチをもたらした。情報化技術と既存農業をより結びつけるために、山南市雅礱生態農牧業有限公司はスマート温室を建設した。「5G+IoT(モノのインターネット)」技術を応用し、農業温室の栽培・生産の自動化と管理のスマート化を実現した。毎年人件費を650万元(1元=約21円)節約し、トウモロコシの生産量を15%、トマトの生産量を29%増やす一方で、メンテナンスコストを従来の50%に下げている。

 チベット自治区通信管理局のデータによると、同自治区で完成した5G基地局は8700カ所以上、5Gユーザー数は184万人、すべての郷・鎮の5Gネットワークカバーが実現した。区内の1万人当たり5G基地局数は23カ所で、中国国内の平均水準に達している。

 
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中国科学技術ニュース 2023年12月

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