中国石油化工集団有限公司(中国石化)は8日、中国初の商用分散型アンモニア水素製造・水素充填一体型ステーションである広西石油南寧振興加能ステーションが広西チワン族自治区南寧市に完成し、試運転に成功したことを明らかにした。科技日報が伝えた。
同ステーションは中国石化が独自開発したアンモニア水素製造の総合的技術を採用。99.999%の高純度水素を1日当たり500キロ製造でき、水素燃料電池車40台以上の需要を満たす。
水素の貯蔵と輸送は水素エネルギー産業チェーンの発展を制限するボトルネックだ。中国の水素ステーションは現在、主にチューブトレーラーによる輸送に頼っているが、水素の輸送能力が低く、コストが高い。アンモニア分解水素製造は一種の技術ロードマップで、触媒によりアンモニアを窒素と水素に分解し、水素の純化により関連するエネルギー使用需要を満たす。アンモニアは高効率の水素貯蔵媒体で、貯蔵と輸送が容易でコストが低いなどの優位性を持ち、分解による水素製造で二酸化炭素が排出されることはない。
中国は世界最大の合成アンモニア製造・消費国で、分散型アンモニア水素製造を発展させる良好な基盤がある。国家発展改革委員会と国家エネルギー局は2022年3月、「『第14次五カ年計画(2021-25年)』新型エネルギー貯蔵発展実施案」を発表し、初めて「アンモニア」を重要な水素貯蔵の担い手として重点的な研究開発方向に組み入れ、「アンモニア水素エネルギー貯蔵」のモデル実証を明確に打ち出した。
