中国が独自に設計・建造した初の深海掘削船「夢想号」18日、正式に命名され、広東省広州市南沙区で初の試験航行を行った。新華社が伝えた。
自然資源部(省)中国地質調査局と150余りの機関が協力し、中国船舶集団が建設を請け負った「夢想号」は総トン数が約3万3000トン、全長179.8メートル、型幅32.8メートルで、航続距離は1万5000カイリ、自給力は120日間となっている。安定性と構造強度は風速51.0~56.0メートルの台風における安全要求に基づき設計され、世界の全海域における作業能力と海域1万1000メートルの掘削能力を持つ。
深海掘削船は海洋テクノロジーの「王冠」と呼ばれている。地殻とマントルの境界にあるモホロビチッチ不連続面の貫通は「王冠」の質を示している。マントルは地球の体積の5分の4、質量の4分の3を占める地球最大の「化学貯蔵庫」で謎に満ちており、地殻とモホロビチッチ不連続面を貫き上部マントルに入るのは、人類の科学の夢とされる。
モホロビチッチ不連続面は大陸の下約30~40キロ、深海の下約6~7キロに位置するため、深海掘削は地球科学の研究の「宝の扉」を開くことになる。「夢想号」の掘削能力は、マリアナ海溝の深さに相当する。