太原理工大学の孫宏斌教授のチームが研究開発した「風力・太陽光・水素・エネルギー貯蔵・消費」クリーンエネルギーマイクログリッドシステムがこのほど、中国南極内陸出発基地付近の氷床に設置され、初めて発電を行った。科技日報が伝えた。
同システムは太原理工大学が南極氷床で設置しテストを行った初のクリーンエネルギー供給システムで、南極氷床野外空間観測プラットフォームおよびその他の野外観測装置の連続ゼロカーボン電力供給を実現する。システムは正常に稼働しており、モニタリングデータは大学に伝送されている。
同システムは先行検証として、南極氷床で水素エネルギーの発電状況をテストした。超低温度や超強風、強紫外線などの過酷な自然条件下や、白夜・極夜などの特殊な環境下における、新型風力発電機などのクリーンエネルギー設備の信頼性と適用性を試験し、南極での大規模なクリーンエネルギーの利用度を高め、現場実証を支援する。
孫氏のチームは2021年より中国の大型エネルギー企業やトップレベルの科学研究機関と共に、南極クリーンエネルギー供給技術の発展を推進してきた。同大学と中国極地研究センターが22年に設立した極地クリーンエネルギー実験室は2年連続で「極地教室」大学院生を募集し、専門的な極地人材を育成しており、ゼロカーボンエネルギー供給によって南極氷床を明るく照らしている。