南方電網蓄電は3日、中国初のマルチ技術ロードマップリチウム電池蓄電発電所である宝塘電力網側独立電池蓄電発電所が稼働したことを明らかにした。広東省仏山市にある同発電所は、粤港澳大湾区(広東・香港・マカオ・グレートベイエリア)最大規模の蓄電発電所で、設備容量は300メガワット(MW)/600メガワット時(MWh)で、大湾区の新型エネルギー貯蔵総量の20%を占め、中国で一度に建設された最大の電力網側独立蓄電発電所でもある。科技日報が伝えた。
同発電所の敷地面積は約3.9ヘクタールで、サッカーコート5.5面分に相当する。同発電所では、88セットのリン酸鉄リチウム蓄電システムが7エリアに分かれ整然と並んでいるが、コンテナのように見えるこれらの蓄電発電所の内部構造は複雑だ。
南方電網ピーク・周波数調整(広東)蓄電科技有限公司建設センターの劉邦金総経理は「ここにはバッテリークラスター、バッテリー管理システム、蓄電変流器、エネルギー管理システムなど複数の重要システムがある。発電所の稼働中に蓄電システムで正確な充放電を実現し、電力システムの調節ニーズにミリ秒単位で迅速に対応できる」と説明した。
蓄電発電所は都市の大型「モバイルバッテリー」のようなものであり、電力消費量が少ない時間帯に風力や太陽光などのクリーンエネルギーを使って「充電」し、電力消費のピークにこれらの電力を各家庭に送ることが可能で、新型電力システムを構築する重要技術だ。
中国で2023年9月末までに完成・稼働した新型蓄電システムの累計設備容量は2123万キロワット(kW)で世界の上位を占めており、産業エコシステムがほぼ形成されている。