視覚AI(人工知能)はカメラやセンサーで「感知」し、撮影した画像・動画データの特徴の抽出と分析を行い、機械ディープラーニングによりさまざまな物体と特徴を識別する。システムが画像中の物体の識別をマスターすれば、視覚AIはこれらの情報に基づき自動で意思決定や反応ができるようになる。科技日報が伝えた。
アモイ浩森威視科技有限公司の李密最高経営責任者(CEO)はこのほど、トレーニング中の視覚AIが活躍する新たなシーンを披露した。設計チームによると、視覚センサーを一般的な電子はかりに取り付け、アルゴリズム設計により視覚AIが速やかに物品をデータバンクの画像と照合できるようにし、正確な識別を可能にした。この視覚センサーとアルゴリズムを搭載したスマート電子はかりは0.5秒内に480種以上の果物・野菜を正確に識別し、自動で重さをはかり、決済を行うことができる。
2次元バーコード情報を持つ標準的な製品とは異なり、量り売りされる果物や野菜は種類が多く、色や外形が混同しやすく、同種の果物や野菜であっても成熟度によって形が異なる。このことがアルゴリズム技術に対する要求を高めている。そのためチームはアルゴリズムの最適化とモデルのトレーニングを続け、数回の世代交代と最適化を行った。
李氏は「アルゴリズム設計により、ロボットが人のような『目を持ち』、世界を理解できるようになった。そのコア技術はアルゴリズムミドルプラットフォームにあり、画像数が少ないデータバンクでも機械がディープラーニングを行うことができる」と説明。「人々が市場で果物や野菜を購入する際に、通常は人手で重さをはかって決済を行うが、このスマート電子はかりがあれば、購入者は自分で商品を置いてスキャンすればよい。画像撮影後に商品の種類を速やかに識別し、システムが重さをはかり、決済を完了する。これにより小売業の決済効率を大幅に高め、人手を節約するだけでなく、購入者の買い物体験を最適化することになる」と語った。