天津大学天津ナノ粒子・ナノシステム国家研究センターの馬雷教授率いるチームによる研究成果「炭化ケイ素に成長した超高移動度半導体エピタキシャルグラフェン」が、グラフェン電子学の発展を長期的に妨げてきた重要な技術的課題の解決に成功した。グラフェンのバンドギャップを形成し、グラフェン半導体製造分野の扉を開く重要なマイルストーンになるとみなされている。研究成果は「ネイチャー」誌のオンライン版に掲載された。人民日報が伝えた。
馬氏は「グラフェンは室温で安定的に存在する二次元材料で、その独特なディラック・コーン構造が『ゼロバンドギャップ』という特徴をもたらしている。この特徴こそがグラフェン研究者を数十年にわたり悩ませてきた難題でもある。いかにグラフェンにバンドギャップを形成するかは、グラフェン電子学の扉を開く重要なカギとなっていたが、研究チームはエピタキシャルグラフェンの成長プロセスの正確な調整・制御を通じて、グラフェンにおけるバンドギャップの形成に成功し、安定した半導体グラフェンを創出した」と説明した。
今回の研究では、バンドギャップを備えた半導体グラフェンが、高性能電子部品に全く新しい材料の選択肢をもたらした。半導体の発展は従来のシリコン系の高性能電子部品を上回る新たな道を切り開いただけでなく、半導体業界全体にも新たな原動力をもたらすことになる。