中国計量科学研究院によると、同院で新たに追加された5項目の北斗ベースの長距離時間周波数校正・測量能力がこのほど、国際的な評価・審査に合格した。この結果は国際度量衡局(BIPM)の重要対比データバンクで発表され、北斗ベースの長距離時間周波数校正・測量能力が初めて国際相互認証を取得した。光明日報が伝えた。
国際的に相互認証された長距離時間周波数校正・測量はこれまで長期間にわたり、米国のGPSまたはロシアのGLONASSによって行われてきた。中国計量科学研究院周波数研究チームは、北斗の時間周波数伝達能力の検証および不確実性の正確な評価技術などの研究開発に取り組み、初めて北斗ベースの長距離時間周波数校正・測量技術体系を構築し、対外サービス能力を形成した。
同研究院の張愛敏首席研究員は「2年間の取り組みを経て、標準時と標準周波数をカバーする5項目の北斗ベースの長距離時間周波数校正・測量能力が、国際度量衡局共同委員会が実施したエリア内およびエリア間の国際同業者による評価・審査に合格した。北斗ベースの時間周波数校正・測量能力の国際相互認証を実現し、北斗のグローバルな応用、特に時間周波数計量における応用をさらに推進した」と説明した。
協定世界時(UTC)は世界共通の標準時で、世界の80以上の時間周波数実験室の400台以上の原子時計の加重平均で導き出される。新たに増えた5項目の北斗ベースの長距離時間周波数校正・測量能力は、北斗がUTCの正式対比リンクになるために力強いサポートを提供している。
中国計量科学研究院は、国家時間周波数計量センターの委託機関として、中国の時間周波数の源である秒スケール国家基準NIM5セシウム原子噴水時計と原子時間スケール国家計量基準UTCを構築・維持し、国際原子時間の協力に長期的・持続的に参加している。同研究院守時実験室は中国大陸部で唯一、国際相互認証の時間周波数校正・測量能力を持つ実験室で、現在まで獲得している国際相互認証の時間周波数校正・測量能力は39で、世界トップとなっている。