2024年01月29日-01月31日
トップ  > 科学技術ニュース >  2024年01月29日-01月31日 >  中国企業、持続可能な航空燃料の量産化を実現

中国企業、持続可能な航空燃料の量産化を実現

2024年01月29日

 河南省君恒実業集団生物科技有限公司の李建平チーフエンジニアは、「醤油のように濁った地溝油(廃食用油)が透き通ったバイオディーゼル燃料と持続可能な航空燃料(SAF)に変身し、価値が倍増する。SAFは従来の石油系航空燃料と比べ、炭素排出量を8割近く削減できる」と説明した。同社のSAFは20日、中国民用航空局から耐空証明を取得した。科技日報が伝えた。

 今回の取得は民間石油化学企業が生産するSAFが商用利用できることを示している。

 中国民用航空局航油航化適航審定センターの夏祖西主任は「SAFはバイオマニュファクチャリングのグリーン航空燃料と従来の燃料を一定の割合で混ぜ合わせた新型航空燃料で、全ライフサイクルの二酸化炭素排出量を80%以上減らすことができ、グリーンな航空エネルギーの実行可能な代替案だ」と説明した。

 地溝油が食卓に戻ったならば、人の健康が損なわれ、食品安全に影響を及ぼす。一方、地溝油から作られるSAFは、高性能のカーボンニュートラル燃料となる。

 君恒生物の張振輝執行董事は「われわれが独自開発したグリーン低炭素バイオ燃料技術が5年の時を経て、ついに結果を出した。地溝油や家庭廃油などの廃棄油脂を原材料として、廃棄油脂を『毒』から『宝』に変え、社会に害を与えるものから社会に貢献するもの、人類に幸せをもたらすものへと変えるグリーン・環境保護の新たな章を開いた」と説明した。

 君恒生物のSAFは今月上旬、補助動力装置台で性能・機能試験が行われた。その結果、すべての基準値が満たされ、3号ジェット燃料に相当することが分かった。

 
※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます