2024年02月05日-02月09日
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中米両国の科学者、2億年以上前の生物大絶滅の時期を特定

2024年02月08日

 南京大学によると、中国と米国の科学研究者が高精度同位体年代測定法を使って、二畳紀末に赤道などの低緯度地域で陸上生物の大絶滅が発生した時期を新たに特定した。今回の研究は、異なる生態系の環境悪化に対する反応速度の違いを明らかにしており、生物大絶滅のプロセスをより正確に再構築するのに役立つ。新華社が伝えた。

 今回の研究を率いた中国科学院院士(アカデミー会員)で南京大学地球科学・工程学院教授の沈樹忠氏は「二畳紀末に発生した生物大絶滅は地質史上最も深刻な大量絶滅の一つで、海洋種の8割以上と陸上種の約9割が消滅した。科学界ではこれまで、この大絶滅は約2億5200万年前に発生したとされていたが、異なる地域や生態系における大絶滅のプロセスについては、詳細な研究が不足していた」と説明した。

 最新の年代測定によると、二畳紀末の赤道などの低緯度地域における陸上生物の大絶滅は2億5188万年前に始まった。低緯度地域の陸上生物の大絶滅は、海洋生物の大絶滅が始まる時期より少なくとも約6万年遅く、高緯度地域の陸上生物の大絶滅が始まる時期より少なくとも43万年遅かった。

 研究者はさらに、世界古生物ビッグデータバンクに基づき、大絶滅前後の異なる緯度帯の生物多様性の変化を分析した。その結果、低緯度地域は生物絶滅の発生が遅れただけでなく、絶滅率も比較的低いことがわかった。これは当時、低緯度地域の陸上生態系が環境圧力に耐える高い能力を有していたことを示す可能性がある。

 
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