中国の新たな代表的設備「地上宇宙ステーション」が検収に合格

2024年03月05日

　中国のハルビン工業大学と中国航天科技集団が黒竜江省ハルビン市に建設した宇宙環境地上シミュレーターがこのほど、検収に合格した。宇宙分野で初の国家重要科学技術インフラとなる。新華社が伝えた。

「地上宇宙ステーション」と呼ばれる宇宙環境地上シミュレーターは、第12次五カ年計画（2011～15年）期間に建設が始まった国家重要科学技術インフラで、真空、高温・低温、荷電粒子、電磁放射、宇宙塵、プラズマ、弱磁場、中性ガス、微小重力という9つの宇宙環境要素をシミュレートできる。宇宙分野の重要な科学技術問題に焦点を当て、宇宙の総合環境と宇宙船、生命体、プラズマ作用の大型研究拠点を構築する。

　宇宙環境地上シミュレーター常務副総指揮を務めるハルビン工業大学宇宙環境・物質科学研究院の李立毅院長は「これまで宇宙でしか行えなかった多くの実験が、今後地上でできるようになる」と説明した。