中国新疆ウイグル自治区のタリム盆地にある中国初の1万メートル級科学調査井「深地塔科1井」で4日、掘削が1万メートルに達した。新華社が伝えた。
深地塔科1井は設計深度1万1100メートル。2023年5月30日の掘削開始以降、数百人の作業員と科学技術者が270日以上連続で働き、高温や極寒、風砂、複雑な地質状況などの課題を克服した。
中国工程院の孫金声院士(アカデミー会員)によると、深地掘削の難易度は月探査に匹敵するという。数カ月にわたる掘進を経て、ドリルビットが地下1万メートルの地層に迫ると、設備は200℃以上の高温や130メガパスカル以上の高圧にさらされる。孫氏は「1万メートルを超えると制御の難易度が非常に高くなり、1台の大型トラックが2本の細いワイヤーの上を走行するような状況になる」と説明した。
中国科学院の賈承造院士は「深地塔科1井は1万メートルに達したことで、世界の陸上で2番目、アジアでトップの垂直深井となった。これは、深地科学研究や超深層油ガス探査分野で画期的な意義を持つ」と語った。
