2024年04月01日-04月05日
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湖南省で約5億4000万年前の海綿化石を発見

2024年04月05日

 中国湖南省地質博物館によると、同館の専門技術者がこのほど、湖南省常徳市で古生物化石フィールドワークを行った際に、保存状態が良好な約5億4000万年前のカンブリア紀初期の大型海綿化石を発見した。新華社が伝えた。

 同館古生物専門家の童光輝氏は「専門技術者は今回の調査で15点の化石標本を採取した。中にはカンブリア紀初期の完全な形で保存された大型海綿化石があり、産出した地層の層位に基づき判断すると、今回発見された海綿化石は今から約5億4000万年前のもので、カンブリア爆発より約2000万年古い」と説明した。

 海綿は6億年前から地球の海に存在し、海底の堆積物に付着して体内を通り抜ける海水からエサを得ていた。海綿はバイオミネラリゼーションを行うことができる最も原始的な動物で、海水中のケイ酸イオンを固定することにより珪質の骨針を作ることができ、地球上で最も早くケイ素循環に参加していた動物といえる。

 童氏は「この時代の保存状態が良好な大型海綿化石は非常に珍しく、海綿動物の早期進化を研究する上で重要な科学的資料となる。海綿化石の輪郭は高さ4センチ、最大幅3.5センチで、石板上の珪質骨針が形成する海綿の全体的な構造が完全に保存されている」と語った。

 
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