大湾区のスマート工場、7秒間に1台のコンプレッサーがラインオフ

2024年05月09日

　中国広東省仏山市順徳区にあるGMCC美芝科技産業パークでは、ロボットアームがコンプレッサーの部品であるベアリングを組み立てラインに送り込んでいた。また、大きな生産作業場では、わずか数人の技術者がソフトウェアシステムの操作を行っていた。中国新聞網が伝えた。

　同区は粤港澳大湾区（広東・香港・マカオ・グレーターベイエリア）の中心に位置し、北は広州に接し、南は香港・マカオに近く、ここ数年は製造業のスマートトランスフォーメーションを持続的に推進している。美芝科技産業パークの敷地面積は約27.3ヘクタールで、総建築面積は50万平方メートル、主にエアコンコンプレッサーなどのコア部品・製品を生産している。年間生産能力は3600万個で、業界最大規模のコンプレッサー生産拠点として世界レベルの「ライトハウス」（第4次産業革命をリードする世界で最も先進的工場）基準で建設された。

　美的集団工業技術事業群空圧製品公司スマート製造責任者の賀志良氏は「産業パークは生産の全フローや各段階でAI（人工知能）ビジョン技術を用いている。複数の型式のコンプレッサーに対応でき、検出率が99.9％以上に達している」と語った。

　スマート技術のサポートを受け、生産性が大きく向上している。賀氏は「当社の生産ペースは15秒から現在の7秒に上がった。つまり1本の生産ラインで、7秒ごとに1台のエアコンコンプレッサーがラインオフすることになる。これは業界平均水準をはるかにリードしている」と述べた。

　工場では生産から物流までのデジタル化とスマート化を実現した。賀氏は「工場は多くのロボットやAI、デジタルツインなどの技術の導入とデジタル化システムインテグレーションにより、生産・管理モデルを変え、生産プロセスを透明かつ制御可能にし、品質の信頼性を高め、コストをさらに最適化した。物流もよりスムーズになり、製品の引き渡しペースも大きく上がった」と説明した。

　美芝科技産業パークは、美的集団のデジタルトランスフォーメーションを模索する縮図の一つだ。美的集団は現在、28の国家級グリーン工場、9つの5G工場、3つのゼロカーボン工場、5つの「ライトハウス」を有している。