中国内モンゴル自治区商都県の実験田でこのほど、1万5000粒の宇宙ジャガイモの種子の試験栽培が行われた。これは宇宙を旅した種子が畑での鑑定・評価段階に入ったことを示している。光明日報が伝えた。
同県小海子鎮の農地には、異なる番号が書かれた札が刺さっていた。作業員は国家ジャガイモ工学技術研究センターの科学研究者の指導の下、宇宙ジャガイモの種子をまいた。
2022年6月5日、2万粒の種子が初めて有人宇宙船「神舟14号」に搭載され中国の宇宙ステーションに入り、同年12月4日に地球に帰還した。23年1月に地上試験栽培を行い、ジャガイモ宇宙育種とジャガイモ育種の新しい方法が導入された。
23年5月には6万6500粒のジャガイモの種子を搭載した有人宇宙船「神舟16号」が打ち上げられ、23年10月に地球に帰還した。種子は24年1月に同センターから商都ジャガイモ技術イノベーションセンターに引き渡され、試験栽培やその後の評価・鑑定が実施されることになった。
従来の育種と比べ、宇宙育種には変異率が高く、育種期間が短いという最大の優位性がある。短期間内に生産量が多く、早熟で、耐病性が強いといった優れた性状を持つ遺伝資源を生み出す可能性がある。宇宙育種は今や、遺伝資源を革新する重要な方法になっている。