世界最大規模の地下実験室の秘密に迫る

2024年06月13日

　地球の内部には何があるのか。そして、どこまで深く掘れるのか。中国江蘇省徐州市の卧牛山の地下100メートルには、世界最大規模の地下実験室である地球深部科学・工学雲竜湖実験室が存在する。科技日報が伝えた。

　実験室の李暁昭主任は「実験室の目標は地球の深部に進み、資源、空間、安全を求めることだ。主に地球深部エネルギー資源開発や地球深部空間スマート建造、地球深部空間物質貯蔵、地球深部空間安全防護など、国の需要と未来の産業の方向性を見据え、都市地下空間、深部地下空間、超深部地下空間の科学・工学的問題を持続的に模索・研究開発する」と説明した。

　地球深部空間環境制御・生物変換プラットフォームでは、南京大学の科学研究チームが地下生態循環システムのシミュレーションを行っていた。生ゴミを牧畜業の飼料と農業の肥料に直接変換する技術について李氏は、「この技術の変換率は95％で、廃棄物は5％しか出ない。将来的に生活ゴミをパイプラインによって地下に直接送って処理すると、地上の空間を使わず汚染も生じない」と述べた。

　別の部屋では、サーバーが点滅しながら効率的に稼働していた。他の計算能力センターと異なり、ここにはエアコンなどの冷房設備がない。サーバーは冷却液の中に浸るか、ミクロ循環のパイプラインにより放熱する。李氏は「地下深くの冷熱エネルギーを使い計算能力設備の温度を下げる。収集した熱を貯めることで再利用も可能だ」と強調した。

　同実験室は今後5年にわたり科学の法則を模索し、地球深部空間流体物質移動、地球深部工学周辺岩石の力学的反応、地球深部空間環境変化・災害の研究を実施。地球深部空間の蓄熱と高効率な利用、地球深部空間での二酸化炭素廃棄物の貯蔵、鉱山地下空間の協同開発、国土空間の最適化を目指す。