中国の有人宇宙船「神舟15号」と共に宇宙を186日間旅したトゲナシ（刺梨）の種28.2グラムが、科学研究者の9カ月にわたる丁寧な育成と管理によって、528株の健康な苗に成長した。研究者はその中からトゲナシの新たな遺伝資源「とげのないトゲナシ」を得た。新華社が伝えた。
貴州省黔南ブイ族ミャオ族自治州林業科学技術普及センターによると、研究者は種の中から4株の形態が異なるトゲナシ特異遺伝資源を得た。うち2株は全体にトゲがなく、葉の形が一般的なトゲナシと大きく異なっており、暫定的に「無棘刺梨」（とげのないトゲナシ）と名付けられた。新たな遺伝資源の取得は、トゲのないトゲナシの優良品種の選択・育成に対して重要な価値を持つ。
同センター研究者の田華林氏は「研究者は育種プロセスを短縮するため、若枝の挿し木によって、これら528株の増殖を行っている。また大量の苗木を取得して試験林を作り、安定した観察とエリア試験を実施するために、『とげのないトゲナシ』の組織培養試験を行っているところだ」と説明した。
これらの新たな遺伝資源は同自治州のトゲナシ遺伝資源バンクで保存される見込みだ。現地はさらにトゲナシ宇宙育種拠点を建設し、トゲナシの遺伝資源イノベーションを持続的に推進する。