中国農業大学はこのほど、中国初の漁業大規模AIモデルである「范蠡大規模モデル1.0」を発表した。科技日報が伝えた。
同モデルは国家デジタル漁業イノベーションセンター長を務める中国農業大学情報・電気工程学院教授の李道亮氏率いるチームが、中国聯通、中国電信、中国移動の通信事業者3社および関連する水産大学・科学研究機関と共同で開発した。
ユーザーは「質問してください」「聞いてください」「見てください」「決めてください」の4つのモジュールにより、同モデルにさまざまな質問ができる。同モデルは漁業従事者や管理・経営者、政府機関に対し、より正確で全面的な人工知能(AI)サポートを提供する。
李氏は「同モデルは27種の魚介類主要養殖品種の水産関連テキストを中心に、画像や音声、動画などのデータを補完し、大規模な漁業専門知識コーパスを形成した。ディープラーニングアーキテクチャや複数の技術により、漁業のマルチモードデータの収集、クリーニング、抽出、統合を実現し、豊富な漁業・養殖知識を生成するほか、水や餌、病気、管理などについて、予測や分析、意思決定が可能となっている」と述べた。
魚類の健康状態や体重の異常を正確に測定・評価するのは、時間と労力がかかり、魚類を傷つける可能性もある。そのため、研究開発チームはコンピュータビジョン技術に基づく魚類体重推計モデルを開発した。コンピュータビジョンで水中の魚類の画像をリアルタイムでキャッチし、深層ニューラルネットワークアルゴリズムを最適化・構築し、画像中のターゲットとなる魚類の計測と測位を自動で行う。さらに形や色、模様などの特徴を抽出し、非接触方式で魚類の体重を正確に計算する。さらに成長・健康状況のモニタリングと計算も同時に行い、餌やりや水環境、エネルギー消費最適化制御にデータ面からのサポートを提供する。