標準物質は化学や生物などの検査に不可欠な「物差し」と「分銅」の役割を果たすもので、国の重要な計量戦略的資源である。中国国家市場監督管理総局はこのほど、合成空気中の温室効果ガス(CO2およびメタンガス)の国家1級標準物質の開発を承認した。これは中国で初めて環境空気炭素観測の高精度要件を満たす標準物質となり、環境空気に含まれる温室効果ガス濃度の高精度で正確な測定に力強い支えを提供する。中国新聞網が伝えた。
CO2とメタンガスはいずれも人類活動によって生じる温室効果ガスだ。そのモニタリングは、濃度変化の傾向を研究する基礎となり、温室効果を評価する根拠、そして排出削減措置指定の基準となる。世界の大気中における二酸化炭素とメタンの年間平均変化率はそれぞれ0.6%と0.4%に過ぎない。温室効果ガス濃度の微細な変化を正確に反映するためには、長期間のモニタリングにおいて異なる時間や空間での結果が正確かつ比較可能でなければならず、高精度な標準物質が必要である。
中国が初めて開発に成功した合成空気中のCO2とメタンガスの標準物質の測定精度は、前者が0.05%(成人1人が30平方メートルの部屋で1度呼吸した際のCO2の濃度変化に相当)で、後者が0.1%だった。今回の開発成功は、温室効果ガス観測データの正確さと国際的な同等性を保証し、温室効果ガスのモニタリング技術と計器の国産化研究や普及を力強く促すことになる。