中国科学技術発展戦略研究院は8日に開かれた「2024浦江イノベーションフォーラム」で、「中国地域科学技術イノベーション評価報告2024」を発表した。報告書によると、中国では各地域の科学技術イノベーション水準がさらに向上し、多層的で特色を備えた地域イノベーション体制がより整備されている。新華社が伝えた。
報告書は科学技術イノベーション環境、科学技術活動投入、科学技術活動アウトプット、ハイテク産業化、科学技術による経済・社会の発展促進の5項目について、12の2級指標と44の3級指標を選び、国内31省・自治区・直轄市（香港・マカオ・台湾を除く）の総合的な科学技術イノベーション水準を評価。各地の科学技術イノベーションの発展傾向を分析・研究した。
報告書によると、2024年の総合科学技術イノベーション水準指数は前年比1.30ポイント増の78.43ポイントだった。科学技術活動投入とアウトプット指数が大幅に向上し、科学技術による経済・社会の発展促進水準が持続的に向上した。
中国科学技術発展戦略研究院技術予測・統計分析研究所の玄兆輝所長は、「北京市、上海市、広東省、江蘇省、天津市、浙江省が総合科学技術イノベーション水準で国内をリードしている。科学技術イノベーションセンターなどのけん引力が持続的に向上し、地域協同イノベーション発展の成果がさらに明らかになっている」と説明した。
玄氏によると、京津冀（北京・天津・河北）、長江デルタ、粤港澳大湾区（広東・香港・マカオ・グレーターベイエリア）のイノベーション発展のけん引力がさらに強化されている。2024年は京津冀協同発展実施10周年で、同地域の協同イノベーション駆動がこの10年で持続的に強化された。北京市の企業による天津市と河北省の企業への投資は4万9000件で、総投資額は2兆3000億元（1元＝約20円）に達している。
また長江デルタ科学技術イノベーション共同体の建設が持続的にペースアップしている。長江デルタは発明特許保有量や新製品販売収入、ハイテク産業売上高など13の指標で、中国国内の30％以上を占めた。広東省は科学技術活動投入指数と科学技術による経済・社会の発展促進指数で国内トップを維持した。